One-Hot Encodingとは?初心者でもわかるカテゴリカルデータの変換法

プログラミング


データ分析や機械学習において、テキストや数値以外のカテゴリカルデータ(カテゴリーデータ)を数値に変換することは非常に重要です。機械学習モデルは数値データしか処理できないため、カテゴリカルデータを適切に変換する必要があります。特に、カテゴリカルデータを数値に変換する手法として「One-Hot Encoding」がよく使われます。この記事では、One-Hot Encodingとは何か、どのようにカテゴリカルデータを二値変数に変換するのか、具体例を交えながら詳しく解説していきます。

One-Hot Encodingの概要?

One-Hot Encodingとは?

One-Hot Encodingは、カテゴリデータを数値に変換する手法の一つです。この手法の利点は、カテゴリ間に序列が存在しないことを明確にし、アルゴリズムが正しく認識できる点です。具体的には、各カテゴリに対して専用の列を作り、該当する箇所に「1」を、それ以外は「0」を割り当てることで、データを数値化します。

例えば、「赤」「青」「緑」というカラーカテゴリがあった場合:

  • 赤 → [1, 0, 0]
  • 青 → [0, 1, 0]
  • 緑 → [0, 0, 1]

となります。
このように、各カテゴリを独立した二値変数として表現することで、モデルが効率的に学習できるようになります。

カテゴリカルデータと重要性

カテゴリカルデータは、質的変数とも呼ばれ、項目やラベルを区別するために使用される文字列または数値の集合を指します。機械学習モデルは一般的に数値データを前提に動作するため、カテゴリカルデータをそのまま使うことができません。そのため、数値化が必要で、カテゴリカルデータを数値データとして扱えるようにする手法として、「One-Hot Encoding」挙げられます。

このように、One-Hot Encodingを使用することでカテゴリカルデータを適切に数値化し、機械学習モデルが理解しやすい形式に変換できます。

One-Hot Encodingで二値変数に変換する理由

One-Hot Encodingを使用する利点は、カテゴリごとに1または0の値を割り当て、カテゴリ間に順序がない場合でもデータを正しく表現できることです。例えば、性別や出身地などは、数値的な大小関係が存在しないデータを数値ラベルで表すと、誤った順序関係で表すことになってしまいます。One-Hot Encodingを使用することで、各カテゴリを独立した特徴として扱え、誤った数値的解釈を防ぐことができます。これにより、モデルの予測精度が向上し、より信頼性の高い結果が得られます。

PythonでのOne-Hot Encodingの実装方法

pandasを使ったOne-Hot Encodingの実装

One-Hot Encodingを実装するには、Pythonのpandasライブラリを使用することでカテゴリカルデータを簡単に二値変数に変換でき、モデルに適した形式でデータを扱えるようになります。以下では、pandas.get_dummies()関数を用いたOne-Hot Encodingの実装方法について解説します。

import pandas as pd

# データの作成
data = {
    '名前': ['Taro', 'Hana', 'Jun'],
    '性別': ['男性', '女性', '男性'],
    '血液型': ['A', 'AB', 'O']
}

df = pd.DataFrame(data)

# One-Hot Encodingの適用
df_encoded = pd.get_dummies(df, columns=['性別', '血液型'])
print(df_encoded)

出力結果

     名前  性別_女性  性別_男性  血液型_A  血液型_AB  血液型_O
0 Taro 0   1   1   0  0
1 Hana 1   0   0  1   0
2 Jun 0 1 0 0 1
コード解説

データセットの準備として、名前・性別・血液型の3つのデータを辞書形式で作成し、性別と血液型の2つのカテゴリカルデータにOne-Hot Encodingを適応しています。
get_dummies()関数指定した列(性別と血液型)を自動的に二値変数に変換し、カテゴリに対応する列を作成します。例えば、「性別_男性」「性別_女性」といった列が追加され、それぞれのカテゴリに対応するセルに1が割り当てられます。

sklearnを使ったOne-Hot Encodingの実装方法

import pandas as pd
from sklearn.preprocessing import OneHotEncoder
import numpy as np

# データの作成
data = {
    '名前': ['Taro', 'Hana', 'Jun'],
    '性別': ['男性', '女性', '男性'],
    '血液型': ['A', 'AB', 'O']
}

df = pd.DataFrame(data)

#scikit-learnのOneHotEncoderを使用
encoder = OneHotEncoder(sparse=False)
encoded_array = encoder.fit_transform(df[['性別', '血液型']])
feature_names = encoder.get_feature_names_out(['性別', '血液型'])
df_encoded_sklearn = pd.DataFrame(encoded_array, columns=feature_names)

出力結果

   性別_女性  性別_男性  血液型_A  血液型_AB	  血液型_O
0	0.0	  1.0	     1.0	    0.0	   0.0
1	1.0	  0.0	        0.0	    1.0      0.0
2	0.0	    1.0	          0.0           0.0	      1.0
コード解説

こちらはデータセットに対して、sklearnライブラリのOneHotEncoderを使用しています。
sparse=False:出力形式をNumPy配列にします
fit_transform():データをエンコード
get_feature_names_out():カテゴリごとの列名を取得

まとめ

この記事では、カテゴリカルデータを二値変数に変換するOne-Hot Encodingについて使用するメリットやPythonを使った実装方法を解説しました。
データの前処理において、適切なエンコーディング手法の選択は極めて重要です。One-Hot Encodingの基本を理解し、データの特性に応じて適切に活用することで、機械学習モデルのパフォーマンス向上につながります。さらに深い知識を得たい方は、scikit-learnのドキュメントや実践的なデータサイエンスの書籍もご参照ください。

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